無垢杉フローリング施工例|千葉県 中山 様


木に包まれて住まう、マンションのウッドリノベーション
ティ・エス・シーの前代表取締役であり、現在も取締役を務める中山夫妻は、2016年12月に千葉県君津市へと住まいを移しました。長年を過ごした戸建の日本家屋から、中古マンションへの住み替えです。

ともに70歳代半ばである中山夫妻がこれまで過ごしてきたのは日本家屋。畳の上で寝起きをし、障子越しに差し込む柔らかい陽を浴び、窓を開けて爽やかな風を取り込む、そんな和の暮らしに慣れ親しんできました。その夫妻がマンションを内見したときに感じたのは、圧迫感と風通しの悪さ、そして部屋の冷たい質感です。そうした問題を解決するために、間取りの変更も含めた全面ウッドリノベーションを行うことにしました。

中山様夫妻
株式会社ティ・エス・シー取締役
中山様夫妻

ウッドリノベーションに際して中山夫妻は、やすら樹をはじめとする自社の集成材を使いました。「ものづくりはお客様の視点や立場で考えることから。木の床材や内装材、家具につくり手の私たちが自信をもっていても、そこに暮らすお客様の立場で使ってみなければ、その良さや欠点は本当にはわからない。今回の住み替えは、自分がお客様の立場で自社の製品を使う良い機会になる」と考えてのことです。

2016年12月、ウッドリノベーションによって生まれ変わった中山夫妻のマンション。その木のぬくもりあふれる住まいをご紹介します。

無垢杉でフルリノベーションされたリビング

―70歳代で住まいを替えるのは、大変なことではありませんか?
―中山夫妻:昨年(2015年)、会社の代表を交代してから少しゆっくりできるようになって、いま、私たち夫婦のライフステージが変わってきています。これから先の生活とか体調とか仕事とか、子どもや孫との関係も考えて、人生の次のステップに進むために住み替えることにしました。

小さい時からの人間関係がある土地を離れることに抵抗はありましたが、自分の体力やこれからのことを考えて良い選択だったと思いますね。

天井からフローリングまで無垢杉でフルリノベーション
天井とフローリングを無垢杉でフルリノベーション

―マンション生活は初めてだそうですね。
―中山夫妻:老後は体力も含めて変わってきますから、ゆくゆく戸建の管理はむずかしくなるだろうと、思い切ってマンション生活を選びました。三方に開口部がある角部屋を希望していましたが、売りに出されていたのは南と北にしか開口部のない2階の真ん中の部屋。閉塞的な間取りで圧迫感と風通しの悪さが問題でした。

それで、私たちが住むうえで良い形(デザイン)を、信頼を寄せている小田原健さんにお願いして考えていただいたんです。小田原さんのプランは、生活の動線や風通し、採光、収納がよく考えられ間取りで「これはいい。住まいのデザインってこういうものなんだ」って改めて感心しました。

家具も無垢材で施工されたウォークインクロゼット
全て無垢材で施工されたウォークインクロゼット

―戸建の日本家屋とマンションではずいぶん勝手が違うのではないですか。
―中山夫妻:昔、これまでは、畳の部屋が生活の中心でしたから、洋間になるというのは大きな違いです。布団はベッドに変わり、団らんの場はこたつからソファに変わりますね(笑)。勝手の違いより、畳や障子、柱など木や紙の持つ和のぬくもりが室内にないことのほうが大きいですね。しかしこれは、最初からウッドリノベーションで解決するつもりでいました。

というのは、木の住まいの心地良さ、特に国産スギの良さを体験していただくためにつくったショールーム(木更津家具の森)があって、そこに居るとゆったりした気持ちになれる。洋間でもすごく落ち着くんです。こうした木質空間なら、畳でなくても生活できるって思っていたからです。

家具、天井、フローリング、全て無垢材のワーキングルーム
家具、天井、フローリング、全て無垢材のワーキングルーム

―住まいの中で、床は生活を左右するものの一つだと思いますが、やすら樹の使用感はいかがですか。
―中山夫妻:冷たさを感じないんです。それが無垢のスギ材の良さですね。元のフローリングの上にやすら樹を敷いているのですが、やすら樹を敷く前は床が冷たかった。スリッパを履くような生活をしてこなかったから、いまさら冷たくて硬い床では私たちは生活できません。

それに座っていてもさらっとして快適。これなら梅雨時の湿度も気にせず過ごせそうです。
小さな孫たちが遊びに来たら床の良さはもっとわかると思いますよ。子どもは大人よりも感度が高いですからね。

オープンキッチンも無垢材で施工
オープンキッチンも無垢材で施工

―マンションの室内とは思えない、居心地の良い空間ですね。
―中山夫妻:新建材は経年とともに劣化していきますが、木を使った家は時とともに素材の良さが増します。これからは二人でゆったりと過ごしながら、自分たちの変化とこの家の変化をじっくり楽しんでいくつもりです。

トイレは廊下とベッドルームから出入り可能な設計に
トイレは廊下とベッドルームから出入り可能な設計に