千葉の杉、サンブスギを使う理由|サンブスギとは?


サンブスギは、古くから建具や柱材などに利用されてきた
優れた特長を持つ千葉県山武地方の杉材です。

◎千葉・山武地域で植林されているスギの品種
サンブスギは、千葉県北東部の山武地域で250年以上前から育てられてきた挿し木スギの一品種です。地元の山武地域では“カンノウスギ”という名称で呼ばれてきました。

千葉県内のサンブスギ林の面積は、県全体のスギ林面積の17.8%で約7.7ヘクタールを占めています。県内の地域別にみると比率的が最も高いのは、サンブスギの名称ともなっている山武地域で、この地域のスギ林の44.7%がサンブスギの植林地となっています。

千葉県内のサンブスギの分布図

◎古くから建材として優れた性質を持つ
サンブスギは、優れた性質を持つことから、関東一円以外にも福島県や愛知県、三重県にも植栽されてきました。10年くらい前までは、西日本の九州、四国、和歌山県、静岡県などにもスギ苗木が出荷されていました。

木材として多くの優れた特長を持つサンブスギは、真っ直ぐで断面は正円に近く、淡紅色で美しいことから、古くから建具、板材、柱材として利用されてきました。

サンブスギが植林された山林

◎スギの中でも花粉の少ない品種
現在では春先の花粉症は日本人の国民病のようになってしまいました。その原因の多くがスギの花粉と言われています。サンブスギは、スギの品種の中でも挿し木スギの品種のため、雄花(花粉)をほとんど着けません。

そのためサンブスギの雄花の量は、種子から育てられた普通のスギの数パーセント以下と言われています。このことから1995年には、多くのスギ品種の中から「花粉の少ないスギ優良品種」のひとつとして選ばれています。


引用・文献:千葉県農林水産部農林総合研究センター森林研究所(千葉県ホームページより)
引用・図:千葉県内のサンブスギの分布(平成7年度林務課調査)
引用・写真:千葉県農林水産部農林総合研究センター森林研究所(千葉県ホームページより)